
米津玄師は1991年3月10日生まれ、徳島県出身のシンガーソングライターで、多才なクリエイターとして知られています。
作詞、作曲、アレンジ、プログラミング、歌唱、演奏はもちろん、自身でジャケットやブックレットのイラスト、アニメーションも手がけてしまう彼の肩書きは多彩です。
2009年頃から「ハチ」名義でニコニコ動画にボーカロイド楽曲を投稿し始め、その後2012年に本名の米津玄師としてアルバム「diorama」をリリースしました。
彼は数々のヒット曲を生み出し、特にドラマ主題歌として起用された「Lemon」は、全世界で300万枚以上のセールスを記録し、Billboard JAPAN年間ランキングで2年連続1位を獲得する快挙を成し遂げています。
米津玄師は2023年7月、宮﨑駿監督の映画『君たちはどう生きるか』の主題歌「地球儀」を書き下ろしています。
そのような縁もあり、2025年8月5日に文藝春秋から発売された「ジブリの教科書21 君たちはどう生きるか」にロングインタビューが掲載されました。
今回の記事では、米津玄師の楽曲「地球儀」や、ロングインタビューで語った内容についてお伝えします。
Contents
米津玄師 「地球儀」
映画『君たちはどう生きるか』の主題歌「地球儀」

米津玄師が映画の主題歌について依頼を受けたのは、リリースから4年ほど前のこと。
主題歌の依頼があったのは、彼が短編映画「毛虫のボロ」の感想をジブリの小冊子「熱風」に寄稿したことがきっかけでした。

この時に宮﨑駿監督と初めて対面しています。
その後も鈴木敏夫プロデューサーとの交流を経て、米津玄師がジブリ作品に抱く深いリスペクトが伝わったことが、主題歌の依頼につながりました。

米津玄師は、この主題歌「地球儀」を制作するために、4年もの歳月を費やしました。
米津玄師のウェブラジオ番組『地球儀ラジオ』で、制作エピソードについて詳細を語っています。

トピックは、宮﨑作品の原体験、宮﨑駿監督との出会いにはじまります。
さらに、『君たちはどう生きるか』主題歌の制作にあたって宮﨑駿監督が彼に伝えた言葉や、歌詞に込めたもの、と続きました。
最後には、映画打ち上げの様子、この体験を通してこれからどう生きていくのかなどまで、多岐にわたった内容でした。
主題歌「地球儀」は、米津玄師名義で発表された曲の100曲目にあたる、まさに集大成ともいえる楽曲です。

宮﨑監督の創作に対する姿勢と真摯に向き合い、じっくりと時間をかけてブラッシュアップを重ねた結果、4年という歳月を要したと考えられます。
映画『君たちはどう生きるか』について

映画『君たちはどう生きるか』は2023年7月14日に公開されたスタジオジブリ制作のアニメーション映画で、宮﨑駿監督の2013年公開の『風立ちぬ』以来10年ぶりの長編監督作品です。
タイトルは、吉野源三郎の同名小説『君たちはどう生きるか』に由来しており、原作ではありませんが、同小説が主人公にとって大きな意味を持っています。

第二次世界大戦中、母親を火事で亡くした少年・眞人(まひと)が、父親の再婚相手である母親の妹・夏子のいる田舎へ疎開するところから物語は始まります。

眞人は新居近くの森にある謎めいた石造りの塔で、言葉を話す青サギと出会い、「下の世界」と呼ばれる幻想的な世界へと足を踏み入れます。

そこで眞人は、生と死が入り混じった世界を体験し、様々なキャラクターと出会いながら自身の生き方を模索していく、というストーリーです。
2023年9月に開催された北米最大の映画祭である第48回トロント国際映画祭で日本映画史上初となるオープニング作品となり、観客賞の次点第2位となりました。
2024年3月11日に授賞式が行われた、第96回アカデミー賞で、日本映画としては『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりとなるアカデミー長編アニメ映画賞を受賞。

「ジブリの教科書21 君たちはどう生きるか」米津玄師ロングインタビュー
インタビューでは米津玄師が『君たちはどう生きるか』という作品、そして宮﨑駿監督から受けた影響や、それに対する深い考察が語られています。
ジブリ作品との関わり
米津玄師は幼少期からスタジオジブリ作品に深い思い入れがあり、宮﨑駿監督が自身にとって非常に大きな存在であることを語っています。

『千と千尋の神隠し』は小学5年生の時に初めて観た作品で、自身の音楽制作に今も影響を与えていると明かしました。
また、漫画版『風の谷のナウシカ』は、米津玄師の創作の指針の一つであり、孤独を支えた作品だとも。

楽曲「地球儀」への思い
「地球儀」は、主題歌制作のオファーを受けてからというもの、何度もスタジオジブリを訪れ、宮﨑駿監督と対話を重ねて4年の月日を費やして誕生した曲。
米津玄師にとって「これ以上光栄な出来事はない」と感じるほど大切な楽曲です。
映画のタイアップとは切り離して客観的に聴けるようになるには、まだ時間がかかるとも述べています。

まとめ
さまざまなアニメの主題歌を手掛ける米津玄師と、「子どもたちに希望を与え、生きる力を描くアニメーションの巨匠」宮崎駿のエピソードの数々…。
「ジブリの教科書21 君たちはどう生きるか」の米津玄師のロングインタビューは、とてもひとことで言い表せないような彼の世界観が垣間見えます。
まだ読んでいないファンは、書店にレッツゴー!


