
米津玄師は1991年3月10日生まれ、徳島県出身のシンガーソングライターで、多才なクリエイターとして知られています。
作詞、作曲、アレンジ、プログラミング、歌唱、演奏はもちろん、自身でジャケットやブックレットのイラスト、アニメーションも手がけてしまう彼の肩書きは多彩です。
2009年頃から「ハチ」名義でニコニコ動画にボーカロイド楽曲を投稿し始め、その後2012年に本名の米津玄師としてアルバム「diorama」をリリースしました。
彼は数々のヒット曲を生み出し、特にドラマ主題歌として起用された「Lemon」は、全世界で300万枚以上のセールスを記録し、Billboard JAPAN年間ランキングで2年連続1位を獲得する快挙を成し遂げています。
シンガー・ソングライターとして自身の世界観を歌に落とし込んできた米津玄師のインスピレーションの源には、音楽だけではなく、実は多くの映画が存在します。
今回の記事では、そんな米津玄師の作品を理解する際に欠かせない、彼が影響を公言する映画を5つと、それぞれの理由をご紹介します。
Contents
米津玄師が影響を受けた5つの映画
『キッズ・リターン』(1996)

『キッズ・リターン』は、1996年7月27日に公開された北野武の6作目となる監督作品で、青年たちが大人の世界に踏み込み、さまざまな現実に直面する模様を描く青春映画です。

以下は、米津玄師が、2017年リリースのアルバム「BOOTLEG」のインタビュー記事で、同アルバム収録曲の「灰色と青(+菅田将暉)」について、どのような思いで制作したかを尋ねられた際の答えです。
「まず僕は『キッズ・リターン』っていう映画がすごく好きで、ああいうものが作りたかったんです。
高校生が自転車に2人乗りしてる場面から始まって、2人はかたやボクサー、かたやヤクザという別々の道に進む。
そしてお互いダメになって、また元に戻って……という、その構図がすごく美しい映画で。
”この映画のような音楽をいつか作れないかな”っていう思いがずっと頭の中にあったんです。」
(インタビューより抜粋)
『風の谷のナウシカ』(1984)

『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿による同名漫画を原作として、苦しい世界を必死に生きようとする人々を描いた不朽の名作アニメです。

2017年リリースのアルバム「BOOTLEG」のインタビュー記事には、『風の谷のナウシカ』の影響についても触れられています。
『誰も知らない』(2004)

『誰も知らない』は、育児放棄の実話を基にして2004年に公開された是枝裕和監督の映画作品です。

2020年リリースのアルバム「STRAY SHEEP」の収録曲である「カナリヤ」のミュージックビデオは、米津玄師本人によるオファーにより是枝裕和が監督を務めています。
「当たり前にあったものが機能しなくなっていくさまを、自分は音楽にしなければならない。
そこに『誰も知らない』とすごく親和性を感じました。」と、米津玄師は語っています。
『ソナチネ』(1993)

北野武監督の代表作として知られる映画『ソナチネ』は、世界的に評価を受けている作品です。
米津玄師は『ソナチネ』に対し、その愛をSNS上で何度も語っています。
2015年8月6日、「ソナチネいいですよね。一番好きな映画かもしれない」と自らのチャンネルにポストしました。

2014年5月27日のポストには、「北野映画は酷く暴力的なんだけど、その様は淡々と描かれて、人が死んでもあっけらかんとしてる。
『そもそも自分達人間は死を内包している』ということを自覚しているからバンバン人を殺すしあっさり死んでいく。
死をもって生きようとする。それが凄くかっこいい。」とあります。
米津玄師は北野武から、死のイメージに関して影響を受けていることが窺えました。
『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)

真利子哲也監督による2016年公開の映画『ディストラクション・ベイビーズ』は、愛媛の港町で、理由もなく喧嘩を繰り返す青年の姿を描いています。
米津玄師はこの映画をとても高く評価し、2016年2月24日に以下のようにポストしています。
「映画『ディストラクション・ベイビーズ』をみてきた。
すばらしかった。
二時間弱のうちにあんなに人を殴ってる映画をみたのは初めて。
ぼくが10代のころに出会いたかった。」
米津玄師 主な影響源 番外編
米津玄師は、前述した5つの映画以外にも、作風に色濃く影響している映画やドラマについてたびたび語っていますので、まとめてお伝えしましょう。
スタジオジブリ作品全般

幼少期から宮崎駿監督作品に強い影響を受けて育った米津玄師は、宮崎作品への憧れや影響を繰り返し口にしています。
新海誠作品「秒速5センチメートル」

実写映画版「秒速5センチメートル」の主題歌「1991」を書き下ろした際、新海誠作品から受け取った視点や感情に強く影響を受けていると、「ビルボードジャパン」のインタビューで語りました。
ドラマ「アンナチュラル」

脚本家の野木亜紀子との対談で、ストーリーや人物描写から強い影響を受けたことが語られています。
まとめ
米津玄師の楽曲に影響を与えた作品は、映画やドラマ以外にもマンガ、アニメ、小説、音楽と多岐に渡っています。
さまざまな分野に興味を持ち、いつでもアンテナを高くしている彼だからこそ、ひとくくりにはできない楽曲を次々に生み出せるのでしょうね。




