
YOASOBI(ヨアソビ)は、「小説を音楽にする」というコンセプトで活動している男女2人組の音楽ユニットです。
メンバーは、コンポーザーのAyaseとボーカルのikura。
彼らの音楽は、強烈なメッセージ性と感情的な深さを持ち合わせ、日本だけでなく世界中で注目されています。
YOASOBIは、2019年10月1日に結成して、配信限定のシングル曲「夜に駆ける」でデビューしました。
約半年後の2020年4月に、LINE MUSICの月間ランキングで初の1位になります。
ショート動画アプリ「TikTok」や「YouTube」などで若い世代の支持を得て爆発的に広がっていき、現在のような注目を集める音楽ユニットに成長してきました。
現在、YOASOBIの活動フィールドは世界に広がっています。
そんなYOASOBIですが、新曲「劇上」を2025年10月2日にリリースしました。
なんと、コンポーザーのAyase自身がボーカルでも参加するという、ユニット史においても重要な意味を持つ一曲となっています。
今回の記事では、楽曲「劇上」についての若干の解説と、はじめてYOASOBIとして歌唱したAyaseの意図などをお伝えします。
Contents
YOASOBI の軌跡
結成と初期の成功
YOASOBIは、ソニーミュージックが運営する小説&イラスト投稿サイト「monogatary.com」に投稿された小説を楽曲化するプロジェクトから誕生しました。
2019年11月に公開されたデビュー曲「夜に駆ける」は、公開直後から注目を集め、国内の各種配信チャートで1位を席巻。
2020年にはBillboard JAPANの年間総合ソングチャートとストリーミングソングチャートで1位を獲得し、ストリーミング累計再生回数は史上初の10億回を突破しています。
飛躍と多様な活動
2021年、1stEP『THE BOOK』をリリースし、豪華な仕様が注目を集めました。
オリコンデジタルアルバムランキングでは5週連続1位を獲得し、収録された7曲もApple MusicチャートTOP15にランクイン。
さらに、ユニクロ「UT」とのコラボによる無料配信ライブ『SING YOUR WORLD』では、同時接続者数28万人を記録しています。
年末には2年連続でNHK紅白歌合戦に出場しました。
2023年、TVアニメ『推しの子』のオープニング主題歌「アイドル」をリリース。
この曲はアニメの人気と相まって、公開からわずか35日間でYouTube再生数1億回を突破。
6月にはBillboard Global Excl. U.S.で日本語楽曲として初の1位を獲得するなど、世界的な大ヒットとなりました。
年末にはNHK紅白歌合戦に「アイドル」で出演し、多くのアイドル歌手とパフォーマンスを披露しています。
2024年8月に「アイドル」がオリコン週間ストリーミングランキングで累積再生数8億回を突破。
オリコン史上最速記録を樹立しました。
9月には、5年間所属したソニー・ミュージックエンタテインメントを離れ、新たに発足したマネジメント兼レーベル『Echoes』に移籍しています。
YOASOBI 31作目シングル「劇上」
ドラマ主題歌と原作小説
「劇上」は、2025年10月1日より放送が開始されたフジテレビ系の新水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』の主題歌です。
このドラマは、脚本を三谷幸喜が手がけ、主演を菅田将暉が務める注目作。
楽曲は、三谷幸喜自身がこの楽曲のために書き下ろした私小説『劇場ものがたり』を原作として制作されました。
ドラマのテーマである「この世界は舞台であって、人間はみな役者である」という哲学が楽曲にも反映されています。
デジタル・ロックと力強いサウンド
疾走感があり、厚みのあるギターやシンセサイザー、躍動感のあるリズム隊が特徴のデジタル・ロック調のサウンドが基盤となっています。
楽曲全体を通して、演奏の抜き差しによって情景が喚起されるようなアレンジが施されており、音楽的な高揚感を伴いながらドラマチックな展開を見せます。
非常にエレクトロニックなアプローチでありながら、同時に力強さも感じさせるバランスの取れた仕上がりです。
YOASOBI初のWボーカル
この楽曲の最大の特徴は、コンポーザーであるAyaseが自身のボーカルで歌唱に参加している点です。
これまでのYOASOBIの楽曲では、コンポーザーに徹していたAyaseでしたが、彼自身もマイクの前に立つ姿を見せたことで、YOASOBIというユニットが“次のフェーズへ移った”という印象をファンに与えました。
これにより楽曲はikuraとの”Wボーカル楽曲”として仕上がっており、YOASOBIの「いま」が凝縮された一曲として大きな注目を集めました。
まとめ
今回の挑戦が成功したことで、Wボーカルという形態がYOASOBIの音楽性における選択肢の一つとして確立された可能性は十分にあります。
ある意味でJ-POPを背負って立つ存在として、世界に挑戦し続けているのが、現在のYOASOBIだと言えるのではないでしょうか。