
米津玄師は、いま10代20代から熱い支持を受けているミュージシャンです。
2009年頃に、「ハチ」という名義でニコニコ動画にボーカロイド楽曲の投稿を始めました。
「マトリョシカ」や「パンダヒーロー」などの楽曲が注目を集め、ボーカロイドシーンでその存在感を確立。
2012年5月には、本名である「米津玄師」名義で初のアルバム『diorama』をリリースし、メジャーデビューを果たしました。
肩書はシンガーソングライター、音楽プロデューサー、イラストレーター、映像作家と、多岐に渡っています。
”米津玄師と宇多田ヒカルによるコラボレーション楽曲「JANE DOE」が、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』エンディング・テーマに決定した”と、2025年8月13日に発表されました。
そして2025年9月23日、「JANE DOE」のMVが公開。
今回の記事では、MVの詳細とデイリーチャートについて、さらにはそれぞれのアーティストのファンからのコメントも紹介します。
Contents
米津玄師, 宇多田ヒカル - JANE DOE
「JANE DOE」は、2025年9月19日公開の映画『劇場版チェンソーマン レゼ篇』のエンディングテーマとして米津玄師が作詞作曲を手がけ、宇多田ヒカルを歌唱に迎えたデュエットソングです。
『劇場版チェンソーマン レゼ篇』
『劇場版チェンソーマン レゼ篇』は、原作漫画の第5巻39話から第6巻52話までの内容に相当します。
テレビアニメ第1期は原作の第5巻38話で終了しているため、その続きが今回の劇場版で描かれることに。
コラボレーションの経緯
米津玄師と宇多田ヒカルにとって初のコラボレーションであり、米津玄師のシングルに他アーティストがボーカルとして参加するのも初めてです。
米津玄師のコメントから、宇多田ヒカルとコラボに至った経緯がわかります。
「誰に歌ってもらうかは深く想定せずこの曲を作り始めたのですが、作っていくうちにどうも宇多田さんしかありえないという気持ちになりとにかくオファーさせていただきました。
メランコリックでありながらも風のように吹き抜けていく宇多田さんの歌声がこの曲に乗った瞬間、あまりのことにはっと息をのみながら感激したのをおぼえています。
一人の音楽を作る人間としてこの機会をとても光栄に思います。」
また、米津玄師に答えるように宇多田ヒカルもコメントしています。
「オファーを受け、どうなるかわからないけども是非やってみたいと思い挑戦させて頂きました。
自分らしさを追求するシンガーソングライター同士誰よりも理解し合える部分と、それぞれの表現方法の対照的な部分に戸惑いながら手探りで突き進んだ先に、互いの新たな一面が現れたことを感じてもらえたら嬉しいです。」
MVのコンセプト
全身黒の衣装をまとった二人が駅のホームのベンチを挟んで座るという構図は、異なる目的地を持つ二人が一時的に同じ空間を共有する様子を表しています。
MVのコンセプトは、行き先が違う二人がたまたま同じベンチに座り、交錯するわずかな瞬間にお互いにほのかな重力を及ぼし合う、というものです。
駅のホームという場所は、人々が出会い、そして別れていく場所の象徴。
MVでは、人生における刹那的な出会いの尊さや、その瞬間瞬間が持つ特別な意味が示唆されています。
さらに、言葉を交わさずとも、同じ空間にいるだけで互いに影響を与え合う、そんな繊細な心の交流も描かれています。
米津玄師は、この楽曲を「すごく複雑なものを抱えている女の子と、本質的な意味でそれをまったく理解していない男の子によるデュエット」としてオーダーしたと語りました。
デイリーチャート
2025年9月22日に配信が開始されると、「JANE DOE」は多くの配信サイトで瞬く間に1位を獲得しました。
デイリーランキングとリアルタイムランキングを合わせて、なんと37冠を達成しています。
Billboard JAPANダウンロード・ソング・チャートでは、10月1日付で3.3万ダウンロード超を記録し、首位に輝きました。
この記録は、米津玄師と宇多田ヒカルのコラボレーションがいかに注目され、大きな反響を呼んでいるかを示しています。
米津玄師, 宇多田ヒカル それぞれのファンのコメント
ここでは、MVに寄せられたコメントを紹介します。
「聴けば聴くほど、女性パートは宇多田ヒカルさん以外考えられない。
この2人のコラボが見られてほんとに嬉しい。
日本には素晴らしい才能を持ったアーティストがいるのだと誇らしく思える。」
「米津さんが叫ぶように歌っているのに対して宇多田さんはどこか諦めたような表情で歌っているのが印象的。」
「宇多田ヒカルが作ってない曲を宇多田ヒカルが歌うと、やっぱ歌声そのものが天性のものなんだなと実感する…」
まとめ
宇多田ヒカルのメランコリックでありながらも風のように吹き抜けていく歌声と、米津玄師の歌声が良い意味で対照的で、歌に深みを与えています。
この差異が、二人の間に存在する複雑な関係性や感情の隔たりを表現しているのです。
このMVは、楽曲の持つ深遠なテーマを視覚的に表現し、観る人に様々な感情や解釈をもたらす、非常に示唆に富んだ作品と言えるでしょう。