
YOASOBI(ヨアソビ)は、「小説を音楽にする」というコンセプトで活動している男女2人組の音楽ユニットです。
メンバーは、コンポーザーのAyaseとボーカルのikura。
彼らの音楽は、強烈なメッセージ性と感情的な深さを持ち合わせ、日本だけでなく世界中で注目されています。
YOASOBIは、2019年10月1日に結成して、配信限定のシングル曲「夜に駆ける」でデビューしました。
約半年後の2020年4月に、LINE MUSICの月間ランキングで初の1位になります。
ショート動画アプリ「TikTok」や「YouTube」などで若い世代の支持を得て爆発的に広がっていき、現在のような注目を集める音楽ユニットに成長してきました。
現在、YOASOBIの活動フィールドは世界に広がっています。
YOASOBIの新曲「劇上」のミュージックビデオ(MV)が、2025年10月9日に公開されました。
MVには、菅田将暉と二階堂ふみも特別出演しています。
今回の記事では、「劇上」のMVについての詳細をお伝えしていきます。
YOASOBI 「劇上」
楽曲について
「劇上」はYOASOBIの31作目のシングルとなります。
この楽曲は、三谷幸喜さんによる原作短編小説『劇場ものがたり』を基に制作されました。
シェイクスピアの「この世は舞台であり、人は皆それぞれ役を演じている」という言葉がテーマとなっており、YOASOBIは「舞台のような世界で、役を演じることが何を意味するのか」を表現したと語っています。
「劇上」は、フジテレビの新・水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』の主題歌にも起用されました。
楽曲の特徴
「劇上」はYOASOBIにとって、コンポーザーのAyaseがボーカルを初めて担当したダブルボーカル曲*となっています。
これは彼らにとって特別な挑戦だと言われています。
*「ダブルボーカル曲」とは、1つの楽曲やバンドに複数のメインボーカルがいる形態を指します。
一般的には「ツインボーカル」と呼ばれることが多いです。
歌詞について
「劇上」は、人生を「舞台」に見立て、与えられた役回りをどのように演じるかを問いかける楽曲です。
冒頭の「踊れ dance! 暗闇の中で」「野晒しの舞台で」といった呼びかけは、観客の視線が届かない場所でもなお生きることを諦めない姿勢を指し示しています。
スポットライトが当たる“主役”だけが価値を持つのではなく、むしろ誰にも見られない瞬間に見せる泥臭い生き方こそが美しいと歌う点が、この曲の核心でしょう。
中盤の「たとえば 拍手喝采/完成された喜劇に身を賭して/指差され笑われる日々は/悲劇なのか」といった箇所は、外側の評価に揺れる自己と、自らが選ぶ演出(=生き方)との葛藤の描写です。
「それも全ては自分次第みたいだ」「主役を演じ切る命であれ」という決意表現は、評価を他者任せにせず主体的に生きることの肯定へと転じます。
ラストに向けての「この命を見せつけてやるのさ」という反復は、自己の存在を力強く宣言するものであり、観客に向けた挑戦状でもあるのではないでしょうか。
YOASOBI「劇上」MV公開
MVについて
このMVは、YOASOBIにとって「本人出演を伴う初の実写MV」という点が大きな特徴です。
ドラマのキャストである菅田将暉と二階堂ふみも特別出演しており、彼らが演じる「役者」としての姿が楽曲の世界観を深めています。
YOASOBIはミュージシャンとしての“YOASOBI”像を演じ、俳優陣はそれぞれの「役」を通して楽曲の世界観を伝えています。
ドラマの世界観と楽曲が深く連動しており、彼らの演技がMVにさらなる深みを与えました。
YOASOBIのAyaseは、YOASOBIとしての自分たち、そして菅田将暉と二階堂ふみにはそれぞれ「役者」としての自身を演じてもらうことで、楽曲の世界観を表現したとコメント。
MVの監督は、数々のアーティストのMVを手がけてきた映像作家のPennackyが担当しました。
Pennacky監督は楽曲のメッセージと世界観を美しく表現。
Ayaseは「演者を撮る演者、それを撮るカメラマン」といったメタ的な構造を取り入れ、「それぞれがそれぞれの舞台の主役である」と感じられる映像を目指したと述べました。
菅田将暉は「歌詞の哲学が伝われば」とコメントし、二階堂ふみは「YOASOBIという輝く世界に携われて光栄」と語っています。
YOASOBIは初の本人出演となる本作の完成度に手応えを感じており、ドラマ視聴者や普段から応援するファンにも楽曲の意図が届くことを願っています。
まとめ
「劇上」は、2025年10月2日から配信が開始され、作品のリリースにより多くの注目を集めてきました。
MVを観た後の感想としては、音楽と映像が結びつくことで、歌詞の哲学がより伝わる楽曲になっていると、いうものでした。
最高な仕上がりに、心からの拍手を贈りたいです。